社長挨拶
これからも地球環境保全に貢献していく
皆さん、こんにちは。
ユミコア日本触媒のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。
私たちは、自動車の排気ガスを浄化する「触媒」技術を通じて、地球環境の保全に取り組んでいる会社です。少し専門的に聞こえるかもしれませんが、私たちの技術は、皆さんの暮らしのすぐそばで、空気をきれいに保つ大切な役割を果たしています。
1970年、アメリカで施行された「改正マスキー法」をきっかけに、自動車の排出ガス対策は大きく進化しました。それから半世紀以上、エンジンの燃焼・制御技術、そして触媒技術の進歩により、今では内燃機関からの排出ガスは大幅に浄化されるようになっています。
触媒には、白金、パラジウム、ロジウムといった高価な貴金属が使われています。近年では、これらの使用量を抑えながらも高い性能を発揮できるよう、貴金属の担持手法、ナノレベルでの材料調製や触媒成分を支えるハニカム構造体の工夫が進んでいます。
当社のルーツは、1964年に日本触媒が開始した排気ガス浄化触媒の研究開発にあります。1974年には事業化を果たし、現在はグローバル企業ユミコアとのジョイントベンチャーとして、長年にわたる経験と実績を強みに、世界の環境課題に向き合っています。
触媒技術の進化とともに歩んできた私たちは、研究開発から販売、製造まで、幅広い分野で触媒技術の可能性を追求してきました。私自身も、大学時代に排気ガス浄化の基礎反応を学んだことをきっかけにこの分野に魅了され、以来30年近く、さまざまな立場からこの技術に携わってきました。会社の歩みとともに、自分自身もこの技術の進化を間近で見つめ、支えてきたという思いがあります。
自動車は、私たちの暮らしに欠かせない、便利で大切な移動手段です。しかしながら、内燃機関を搭載した車が地球温暖化の一因となっていることも否定できません。こうした背景から、CO₂削減や新たなビジネスの観点において、「電動化」は大きな潮流となっています。
とはいえ、電動化にも課題があります。たとえば、充電インフラの整備や再生可能エネルギーの普及、さらには電池製造に伴う水質・土壌汚染やCO₂排出など、環境への影響も無視できません。一方で、内燃機関も効率化や再生可能燃料の活用といった技術革新が進んでおり、私たちは、こうした多様な技術が共存しながら、より良い未来をつくっていくと信じています。
現在、自動車業界は「CASE」と呼ばれる、100年に一度とも言われる大きな変革期を迎えています。ユミコア日本触媒は、こうした変化に柔軟かつスピーディに対応するため、企業文化や体制の改革を進めています。
持続可能で地球環境にやさしい事業運営を実践しながら、優れた触媒技術を通じて、これからも地球環境保全に貢献していきます。
代表取締役社長 後藤 秀樹
