SCRシステム
NSCとは異なりSCRは貴金属を含まず還元剤として使用されるアンモニアにより過剰酸素の下、連続的に働きます。
アンモニアは、SCR触媒の上流の排気管に注入された32.5%尿素水溶液(欧州では商品名「AdBlue」、北米では「DEF」ディーゼル排出流体)の分解生成物として生成されます。
SCRに必要なドージング構成要素は、基本的に、加熱されたタンク及びチューブ、インジェクタノズル、尿素溶液の均一な流量分布と完全な分解を確実にするための混合装置、および電子制御ユニットからなります。 尿素水溶液の効果的な投与のために、160℃の最小排気温度が必要となります。
SCR触媒の存在下では、アンモニアは排ガス中の窒素酸化物と選択的に反応して窒素と水を生成することが可能です。 効率的なNOx還元のためには、排ガス中にアンモニアを生成するための尿素溶液の適切な投与が必要となります。
排気ガス中のNO / NO2含有量に依存し、2つの重要な主SCR反応が行われます
- NO2なし (スタンダード SCR)
4 NH3 + 4 NO + O2 → 4 N2 + 6 H2O - NO2あり (ファストSCR)
4 NH3 + 2 NO + 2 NO2 → 4 N2 + 6 H2O
ファストSCR反応は、効果的なNOx制御の為、特に、尿素投与閾値付近のより低い排気ガス温度で重要となります。 排ガス中のNO2含有量を増加させるために、DOCまたはcDPFのいずれかをSCR触媒の上流で使用することができます。