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ユミコアがBlue Currentへの投資で全固体電池の技術開発を強化

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ユミコアは全固体電池技術に関するBlue Currentと1年間の共同研究に合意し、コラボレーションの次のステップとして有望な成果を積み上げることを期待している。Stéphane Levasseur, Senior Innovation Director of New Business Incubation

ユミコアと シリコン弾性複合材を用いた固体電池の大手メーカーであるBlue Current は全固体電池技術の開発を強化することに合意し、ユミコアは米国を拠点とする新興企業に少数株式を投資しました。この投資は共同開発契約(JDA)を補完するものであり、ユミコアの電池材料をBlue Currentの全固体電池技術に統合することができます。ユミコアはこのJDAにより最先端の電池材料を供給することに加えて、資本を提供することによりBlue Currentと協力して、5年後に向けて同社独自のシリコン弾性複合材電池の市場での採用を推進する予定です。 

Blue Currentは化学主導のテクノロジー企業であり、安全性、エネルギー密度、性能が最も重要な自動車および非自動車市場向けの全固体電池供給の実現に注力しています。同社はローレンスバークレーとアルゴンヌ国立研究所、カリフォルニア大学バークレー校、ノースカロライナ大学が起源で、2018年以来、完全に乾燥した複合電解質を使用したシリコンアノードの分野に限定して取り組んでおり、この分野で幅広いIPを持っています。

「Umicoreは全固体電池技術に関するBlue Currentと1年間の共同研究に合意し、コラボレーションの次のステップとして有望な成果を積み上げることを期待している。」と、UmicoreのNew Business IncubationのSenior Innovation DirectorであるStéphane Levasseurは述べています。「このような契約は電池材料エコシステムおよびR&Dから最終顧客までのバリューチェーン全体における他の研究活動を補完し、現在および将来の電池材料技術において我々が強靭にリードし、目に見えぬ速度で変革している業界に最高のサービスを提供する。」

「Blue Currentはこの投資を通じてUmicoreとの共同開発を拡大できることを喜んでいます。」とBlue Currentの最高技術責任者であるKevin Wujcikは述べています。 「昨年一年をかけて、私たちはそれぞれの全固体電池技術の互換性を検証するために協力し、大きな進歩を遂げました。全固体電池の商業的成功には特別に設計された活物質と固体電解質が必要で、このパートナーシップは次世代材料の開発に不可欠です。」

「液体電解質中ではサイクルできない電極を固体電解質はサイクル可能にしてくれます」と 、Blue Currentの共同創設者であり、ローレンスバークレー国立研究所の上級教員科学者であり、 カリフォルニア大学の化学および生体分子工学科の電気化学教授であるニタッシュバルサラは述べています。 「特にシリコンの充放電サイクルを可能にする複合固体電解質の使用はこの材料の高容量化を考えると魅力的です。」

全固体電池には液体電解質を使用した現在のリチウムイオン電池技術と比較して非常に多くの利点があります。それらの複合電解質とシリコンアノードにより、電気自動車(EV)の設計者はセルレベルでの高い安全性、セルおよびシステムレベルでの高いエネルギー密度で、より小型、軽量、低コストのバッテリーパックを作る事が出来ます。これによりEVの航続距離が延び、充電が高速化されてエンドユーザーにとって重要なメリットとなります。

Umicoreの二次電池材料のロードマップは全固体技術で使用されるものを含む、カソードおよびシリコンベースのアノードの短期、中期、長期の研究期間にまたがっています。Umicoreは、独自の研究や社内作業と並行して、スタートアップやスケールアップなど第三者や学術機関と技術を開発しています。