From Lab to Road
3社のイノベーションリーダーが手を組むと何が起こるのか?
その答えはいま、ミュンヘン大都市圏の路上で試されます。
BMWグループは、Solid Power社が開発した大型全固体電池(SSB)セルを搭載したBMWi7の公道テストを開始しました。これらのセルには、Solid Power社との共同開発契約に基づいて開発された、Umicore独自の正極活物質(CAM)が使用されています。
パートナーシップによるイノベーションの推進
従来の液体電解質の代わりに固体電解質を使用することで、安全性、効率性、エネルギー密度の向上を実現します。Umicoreは、SSB用正極材料開発の最前線に立ち、研究室レベルの実験から実用化へと進展させています。
Umicoreは、先進的な正極材料において次世代電池セルへの統合を目指し、全固体電池技術の業界リーダーであるSolid Power社と提携しました。この提携により、BMW i7のテスト車両に搭載されているASSBセルの開発が支援されました。
電気自動車(EV)コンセプトのための固体電池パック設計、将来の自動車産業のための固体電解質エネルギー貯蔵を備えた新しい研究開発電池、3Dイラスト
ミュンヘンでの実地公道テスト
BMWグループは、この技術の検証において極めて重要な役割を果たしています。現在、これらの先進的セルを搭載したBMW i7のデモ車両がミュンヘンの公道でテストされており、実際の走行条件下でSSBの性能が評価されています。
このマイルストーンは、Umicoreの戦略である「早期の提携、リーダー企業との共同開発、そして目的を持った事業拡大」をさらに強化するものです。SSB市場が成熟するにつれ、Umicoreは差別化された材料と高度な統合ノウハウを武器に、リーダーとしての地位を築いていきます。
「わたしたちは、BMWグループおよびSolid Power社と協力し、バッテリー性能の限界に挑戦しています。従来のリチウムイオン電池の限界を克服することで、SSBは電気自動車における性能、信頼性、そして持続可能性の向上に向けた有望な道筋を示します。」
Karena Cancilleri, Umicore社 電池用正極材料担当EVP
ユミコアの電池用正極材料担当EVPであるKarena Cancilleriは、ミュンヘンの公道でテストされる初の全固体セル搭載車ーの1つであるBMWi7デモカーを運転しました。
BMWグループの電池セルおよびセルモジュール担当副社長であるMartin Schuster氏は次のように述べています:
「BMW i7のASSBテスト車両は、BMWグループの技術に対するオープンマインドセットを象徴する好例です。私たちは新しい電池セル技術の開発を継続的に進めており、貴重なパートナーとともにノウハウを拡充し続けています。」
Solid Power社(Nasdaq: SLDP)のセル技術担当EVPであるBerislav Blizanac氏は次のように述べています:
「BMWが当社のセルと全固体電池技術を搭載したi7テスト車両を導入したことは、ASSBにとって非常にエキサイティングな瞬間であり、この成果における当社の役割を誇りに思います。」

この図は、上部に正極活物質と固体電解質の複合層、中央にセパレーター層、下部に負極活物質と固体電解質の複合層が配置された特定のタイプの全固体電池の構造を示しています。